起業はするべきもんじゃない

起業は手段。目的ではない。

振り返りとBFFの意図

2014年もあと数日。この時期は1年の振り返り、棚卸に時間を使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私自身は今年は大いに変化が起こった年でしたので、振り返りつつ来年に向けて「起業」をテーマに想いを綴ろうと思います。

 

今年、新規の投資案件としては、カブクさん、おかんさん、YOYO HOLDINGSさん、BECさん、そしてもう1社(非公表)、と5社に出資をさせて頂きました。また既存の担当先では、前職時代から交流があり、CAVでも縁あって途中から担当させて頂いていたロックオンさんが上場されたのも、嬉しい出来事でした。

 

イベントについては大企業とベンチャーの交流イベントCROSSOVERや、スタートアップ資金調達イベントRISING EXPOを日本だけでなく、初めて東南アジアでも開催しました。

 

12月には、新たにシード投資の責任者として新たな投資枠『Seed Generator Fund(シードジェネレーターファンド)』も立ち上げました。

 

ファンド開始に先んじて10月末からは、シード期の起業家層の底上げを図るべくBreakfast for Founders(ブレックファーストフォーファウンダーズ、BFF)という出資検討を前提としない、創業間もない起業家やこれから起業を志す方を対象とした朝食付きの少人数制勉強会を開催をしてきました。

 

この朝の勉強会をはじめた意図ですが、起業家とベンチャーキャピタリストとのコミュニケーション上の問題を感じたことがきっかけになります。たとえば、まだ思い付きレベルの事業計画にも関わらず、ベンチャーキャピタリストに出資を求めに行ってはじかれてしまう、ということがあります。ベンチャーキャピタリストは資金を預かって投資をする以上は、いかに効率よく投資をし、回収をするかということを考えざるを得ない生き物です。ゆえに、事業計画書を持ち込まれた時点で、是々非々で判断してしまうものです。

 

起業前に時計の針を戻せない

ベンチャーキャピタリスト側も「もっとユーザー視点で組み立てていれば・・・」「先に会社辞めてたのか・・・」「もうアプリ作ってしまったのか・・・」「このひとには●●事業が合ってると思うんだけどな・・・」と思うことがしばしばあります。ただ、時計を起業前まで逆回しにはできないので困ってしまうという。

 

であれば、出資を前提としないで、アイデアを議論する、壁打ちをするところから起業家とベンチャーキャピタリストが協働・共謀できれば(ここのケミストリー、相性も大事なのですが)、事業立ち上げの成功確率も上がるはずだし、当然のことながら議論を尽くしても冷静に考えて成長戦略を描きにくいという場合は起業をしないという選択肢も取り得るのではないかと思います。

 

矛盾するように聞こえるかもしれませんが、私が人材紹介会社でキャリアコンサルタントをやっていたときも「転職ありき」での紹介をせず、相手の根本的な価値観や状況によっては「あなたはいま転職しなくても良いのでは?」と言っていたのですが、それに近い感覚です。往々にして隣の芝は青く見えるものですし、自分の力を高く見積もりがちですし、タイミングの見極めも間違いがちです。

 

起業するかどうかよりも大事なこと 

事業や領域が何であっても、きっかけや動機や理由があって(儲かりそうだからだけじゃなく)、子供のように時間を忘れて没頭出来る事、それがスタートアップをはじめることでしか実現できないのであれば起業するしかないと思います。でもベンチャーブーム的な雰囲気に流されて、特にやりたいこともないのに、いま起業すべきだ!という思いで先走って会社を設立し、後から事業をつくろうとするのはリスクテイクではなく無鉄砲だと思います。起業はあくまで手段のひとつにすぎないのですから。

 

結論、起業すれば多くの予想だにしない困難に直面する。それがわかっていても、やりたいかどうか。目の前のことにどこまで夢中になれるか。

 

繰り返しになりますが、いま環境が良いから起業するべき、いや起業するべきじゃない、という議論は本質ではないと思います。

 

最後に有名な冒険家の求人広告を。

MEN WANTED for Hazardous Journey.

Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful.

Honor and recognition in case of success.Ernest Shackleton

 

— 「求む男子。至難の旅。

僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証無し。

成功の暁には名誉と賞賛を得る。アーネスト・シャクルトン」

Wikipediaより引用

あなたならこの求人広告をに何を感じますか? この冒険にチャレンジしたいと思うあなたは起業に向いているかもしれません。

 

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