シード投資に特化したファンド、Seed Generator Fundを開始しました

シード特化ファンドの立ち上げの背景

本シードファンドについて

本日新規シードファンド(※)としてSeed Generator Fund(シード・ジェネレーター・ファンド)の開始とバックオフィス支援サービス「Gozal(ゴザル)」を運営する株式会社BECさんへの出資を発表させていただきました。

※本ファンドは厳密な意味でのベンチャーキャピタルファンドではなくシード投資枠になります。2014年5月に設立した日本国内向けベンチャーキャピタルファンドのうち3億円を目処にシード案件への投資(フォローオン投資も含む)へ振り向ける形になります。 

 

私は統括責任者ということで、ファンドマネージャーの役割を務めさせていただきます。ベンチャーキャピタリストとして独立したわけではありません(笑)。

 

本ファンドの狙いはざっくりいうと以下になります。

  • 起業家の層を厚くしたい
  • シードマネーの供給を増やしたい

そして、Accelerate(加速)するだけでなく、Generate(生み出す)する、起業・創業を支援する部分にもしっかりコミットするファンドという立ち位置を取りたいと思い、この名前を付けました(シード投資のVC、シードマネーの出し手という意味でも分かりやすさも意識しました)。

 

対象としては、創業1年未満までのエンジニアを含むチーム条件としては普通株式、時価総額はポストマネーで1億円が上限、ファンドの取得シェアは10%が上限となります。

 

意思決定に関してもシンプルにし、事業の成長可能性ももちろんですが、より起業家・創業チームにフォーカスし、スピーディーに投資可否を判断していきます。もちろん、更なる成長が見込めるチームにはフォローオン投資も実行していく予定です。

 

CAVとしての狙い

なぜやるのか? 一つの理由は直近上場が決まっているクラウドワークスさんのようなシード投資からの成功事例をもっと増やしたいということに尽きます。良くも悪くも直近はシードよりはアーリーステージの案件が多かったためイメージがシードステージから離れたところで固定化されつつあった点の解消にも本ファンドが一役買ってくれるのではないかと思っています。

 

もう一つは各VCのファンドサイズが大きくなり投下しうる資金量が増えているのに対して、投資対象となるスタートアップの数はまだ少ないのではないか、と思っているのが理由になります。これは過去繰り返されてきたことではありますが、ファンドレイズが増え、(特にシードマネーを投じる)投資家の数も増えると自ずとバリュエーションが上がっていきます。それでも出口としてのM&AやIPOが増えれば良いという話もありますが、それと同時に大きな資金を獲得しつつそれを糧にさらに成長しうるベンチャー企業の数そのものが足りていないこともその要因の一つだと思っています。

 

特に後者の部分は、私たちだけでできることでもなく、かつやみくもに起業家の数を増やせば良いわけでもない、業界全体の課題だと感じています。底上げをするためには、自分たちが青田刈りをする目的でシード投資を行うのではなく、コミュニティ全体のために丁寧に種を撒き、育てていかないといけないのではないかと思っています。そのために、投資を前提としない、柔らかいアイデア段階からでもご相談に乗ることもはじめています。これが起業前後の若手起業家向けの朝食付きの勉強会”Breakfast for Founders(詳しくは上記SeedGeneratorFundのHPよりご確認ください)”になります。

 

個人としての思い

社内への提案から2か月半、割と短い間にここまで形に持ってこれたのは、当然CAVの状況や戦略の方向性に提案がはまったということもありますが、個人としても強い動機があったから実現できたのだと思っています。

 

過去シード段階の投資で見送った案件で、その後に大きく成長した会社があります。経営チームの素晴らしさを見抜いていながら、事業戦略の部分で納得できる形に落とし込めなかったのが理由ですが、これは正直悔しかった。事業はもちろん大事ですが細部を詰める前に起業家や経営チームを見ての投資もあるんじゃないかという気持ちが拭い去れませんでした(これはベンチャーキャピタリストは誰しもそういう経験をしていると思うのですが)。

 

さらに大きかったのは、この夏同じ年齢の身近な人間を喪ったのをきっかけに、一生ベンチャーキャピタリストをやりたいなんて長生き前提でモノを言ってる自分のぬるさに気づいたこともあります。「明日死ぬかもしれないから今日を精一杯生きよう」、って言葉にするのは簡単ですが、本気でそう思うなら明日を前提にした生き方をやめないといけないなと。明日自分がいなくなるかもしれないことを受け入れて、だからこそポジティブに目の前のことに全力で取り組むことができ、誰のために何をなすべきかを考えられるようになったと思います。

 

いかに自分の言動や自分の作った場が人を前向きに変えていけるか。これからチャレンジする若い起業家の無駄な失敗をどれだけ減らせるか、成功へ最初のひと転がりをいかに早く経験してもらうか、そしてその経験を後進に伝えていってもらう流れをどうすれば作っていけるか。これが自分のやりたいことなんだなと。

 

RISING EXPOやCROSSOVERといったイベントの運営を通じてのべ1,000名以上の規模で起業家や事業会社の方々と作り上げるコミュニティのマネジメントの勉強をさせていただきましたので、その知見も活かせればと思っています。このファンドでの投資活動にシード期のスタートアップのコミュニティの拡充と活性化を加えることで、より多くの有為の起業家を世の中に生み出していきたいです。

 

起業家の輩出に向けて

私がやろうとしていることは私たちCAVだけでは到底広がりようがありません。起業家、投資家、事業会社、様々な立場の方のご支援・ご協力が必要になってくるのではないかと思います。そして、次世代という意味ではLife is Tech!さん、Willfuさんといった中高生や大学生の方とプログラミング教育や起業家教育という意味で接点を作っていらっしゃる企業さんとも積極的に連携をしていきたいと思います。

 

そして、有望な起業家へのシード期への投資と事業支援のプレイヤーが増えることはさらに良いことだと思いますので、新たなシードアクセラレーターやシードマネーを供給するのベンチャーキャピタル・ベンチャーキャピタリストが出てくることにも期待しています。有望な起業家の輩出のためにともに頑張っていきましょう!

 

■早速TechCrunchTHE BRIDGETech in Asiaでも取り上げていただきました! 

 

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