起業するほどにはアイデアが固まらない/アイデアは固まっているが仲間がいない

情熱の持てるアイデアを探し”場”で情報発信して仲間を見つける

年間900社の企業が設立されるというMITの起業家教育の教授が起業家が事業を選ぶ際にポイントにすべきこととして挙げているのが以下になります。

  • アイデア、技術、情熱の3つの視点で事業を探してみる
  • それは長期間かけてもやってみたいこと、得意なことか?

そして「情熱がある」を、「技術」や「アイデア」に、落とし込む際に検討するポイントとして、起業家自身の知識、能力、人脈、資金、知名度、過去の仕事経験、市場への情熱、コミットメントについて掘り下げてみるということを薦めています。

 

そしてこの教授は”創業仲間は多いほうが良い”という前提に立っているのですが、チームを組成して、固定化せず、事業に合わせてチームを組み替えることもOKというスタンスです。起業仲間を巻き込むには周りに起業志向の人材がいる”場”でビジネスアイデアについて話まくり、壁打ちしまくるしかないということかなと思います。MITでは既にそういったるつぼ=場がつくられているので多くの起業家が輩出されているのだと思います。

 

実際に投資先やそれ以外の起業家にヒアリングをしていたなかで、日本での起業仲間を見つける”場”として機能していそうなのは、起業サークル、アクセラレーションプログラム、インキュベーションオフィス、起業家向けシェアハウス、ベンチャー企業でのインターンや起業家向けイベントのスタッフ。オープンにブログやSNSで情報発信したりやビジネスSNSを活用している方もいます。

起業仲間が見つかっても法人化は急がない

特定の仕事についていない学生さんであればアイデアと仲間が見つかればすぐに事業を始めると良いと思いますが(会社設立を焦る必要はありません)、既に社会人として働いている場合は、まず会社を辞め、貯金を突っ込んでいきなり起業というやり方ではなく、徐々に移行するやり方が良いかと思います。

 

ビジネスアイデア発案⇒仲間が集まる(※ここまでは上述)⇒プロジェクト/ビジネスとして立ち上げる⇒収益化の目途が立つ⇒法人化(ここで初めて辞めると思います)

 

事業が立ち上がることのほうが会社を設立することより100倍大事です。起業=会社設立、という思考はやめましょう。また何度でもチャレンジできるのが上記プロセスのメリットでもあります。会社を辞めてから何をやろうかなぁ、という余裕を持てるのは一定程度成功してお金もある方だけです。往々にして辞めてから事業アイデアを考えるとお金に余裕がない場合は特に受託や業務委託をして日々の生活費を稼がなければならず、そのうちに起業をしようとしていたことを忘れてしまいがちです(一人会社で他社の業務を受けるのは”独立”であって”起業”ではないという解釈を私はしています)。

創業期にベンチャーキャピタリストを活用するメリット

私は以前から起業の前段階(事業アイデアのブラッシュアップ・壁打ち・ブレスト)をサポートできるベンチャーキャピタリストが増えれば良いと思っています。上記のような事業アイデアから起業へのステップをいかにスムーズにするかにおいて重要なのは、繰り返しになりますが、会社設立や資金調達のノウハウではなくて、どういった事業アイデアがユーザーに受け入れられるのか、それをどう検証していくのか、というプロセスです。

 

実際に日本でも起業家とベンチャーキャピタリストや投資家との強みの境界線はあいまいになってきており、起業を経験したエンジェルでなくとも事業を立ち上げるという部分でサポートをしてくれるベンチャーキャピタリスト・投資家も増えてきています(サイバーエージェント・ベンチャーズも本社での新規事業立ち上げに関わったメンバーも多いです)。多くの事業(アイデア)の成功/失敗事例を知り、事業成長のための人的ネットワークを持ち、適切なタイミングで資金も提供できる。ですから資金調達のタイミングで声をかけるのではなく、経験豊富なVC・ベンチャーキャピタリストとは創業前後から壁打ちをすることが起業家にとってメリットになると思っています。

 

私自身も、起業はしたいがアイデアが絞り込まれていない、またはぼんやりとした課題はつかんでいるが、解決方法を見つけられていない、という方や、起業はしているもののもっと事業をピボットしたい方などと継続的にディスカッションをしています。

 

ときにはカジュアルにピザを突っつきながら事業をディスカッションするような取り組みも行っています。以前某有名サービスに関わったことのあるエンジニアの方やデザイナーの方にお集まり頂き開催したときは盛り上がりました。

 

その場では、私たちベンチャーキャピタリストがいま面白いと思っている(仕掛けたい)事業アイデアのストックを披露しつつ、参加者の皆さんからも世の中に対する課題感や個人的なニーズなどについてお話して頂き、ディスカッションを進め、それぞれのスキルや世界観がマッチしプロジェクトとして開始するに値するか判断する、という形で進めました。その後会社設立には至らずとも他のスタートアップへのジョインが決まったりした方もいたりと良い場をつくることができたと思っています。

 

解決したい課題や満たしたいニーズは絞り込めても、具体的なビジネス案に落とし込むところのハードルが高いと感じている起業家予備軍の方も多いと思いますが、そこは志向の近いビジネスパーソンやベンチャーキャピタリストと壁打ちを繰り返すことで懸念をクリアできるのではないかと思っています。一人で悶々とせず、ベンチャーキャピタリストやその周りにいる優秀な人材を巻き込んでいくこともこれからの起業のあり方として一つの選択肢なのではないかと思います。

 

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